ねじれ政治 2019 2 17

「ペンス氏は、レーガン大統領の再来か」

2019年2月16日の日本経済新聞電子版には、このような記事がありました。

アメリカ副大統領、「力による平和を」
 ペンス副大統領は16日、
ミュンヘン安全保障会議で演説し、
強力な軍事力を背景にした「力による平和」を目指す考えを強調した。
 ペンス氏は、トランプ政権は、
1980年代のレーガン政権以来となる資金を軍事分野に使い、
「史上最強の軍事力を構築している」と説明。
核戦力増強やミサイル防衛システム開発を進める考えを強調した。
(引用、以上)
 ペンス氏は、かねてから、
「保守派のエース」と言われている人なので、
このような発言は、自然だと思います。
これは、ペンス氏の持論でしょう。
 一方、トランプ大統領は、
保守派でもなく、リベラルでもなく、
ビジネスを重視しています。
 こうなると、トランプ氏は、
トランプ政権の「バランサー」と言えるでしょう。
 リベラルが多いアメリカ・メディアにとっては、
ひたすらトランプ氏が長続きすることを祈るばかりでしょう。
 さて、トランプ氏の持論である、
アメリカとメキシコの国境に壁を建設するということは、
巨大な公共事業になります。
 このような「大きな政府」事業は、
元々、「小さな政府」を標榜する共和党にとっては、筋が悪い話ですが、
トランプ氏の党に対する影響力が強まった以上、
共和党は、嫌々、やむなく賛成というところでしょうか。
ちなみに「大きな政府」は民主党が標榜しています。
 さて、「国境の壁」問題は、労働問題が絡んでいます。
私は、アメリカの法律に詳しくありませんので、推定で書きますが、
国境を越えてやってくる移民は、「不法移民」なので、
労働法の保護の外になるでしょう。
 だから、産業界としては、
こうした「不法移民」を「不法に」安く働かせることができるでしょう。
一方、これは、正規労働者の賃金を低下させ、職を奪う圧力となるでしょう。
 ところで、一般的には、共和党は、企業のための政党、
民主党は、労働者のための政党と言われますが、
実際は、そんな単純なものではなく、党利党略があるので複雑なものとなります。
 「超一極集中社会アメリカの暴走」(小林由美)という本には、
このようなことが書いてあります。
 アメリカ国民は、富の集中や金権政治にうんざりしています。
労働者の味方だったはずの民主党が、
クリントン政権の頃から都市の進歩派富裕層を主要な資金源に取り込み、
彼らの利益を代表するようになりました。
 アメリカは、Flyover country(上空を飛ぶ国)になって、
つまり、権力者も資金も、東海岸と西海岸を飛行機で往復するだけで、
その空路の下にある大陸中央部は、完全に無視され、馬鹿にされている。
中西部や南部の労働者は、生活困窮の原因をそのように認識していました。
(引用、以上)
 こうした反省を踏まえて、
次の大統領選挙では、民主党左派が数多く出馬表明をしていますが、
アメリカでは、中道右寄りでなければ、過半数を取れないでしょう。
つまり、こうした出馬表明は、トランプ大統領の再選に手を貸すことになるでしょう。






































































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